【BL漫画100冊レビュー2021】1〜4冊目 溺愛、日常、青春、方言。四者四様の「王道」が揃いました

2021年1月20日

「あらすじ」「構成要素」「こんな人におすすめ」には、コミックスの裏表紙あらすじ+α程度のネタバレを含みます。

「感想」には、それからさらに踏み込んだネタバレを含む可能性があります。

ご注意の程よろしくお願いいたします。

なお、2冊目の『仁藤と田塚の日常』はこの100冊レビュー前にも感想記事(【感想】『仁藤と田塚の日常』王道、テンポ、そしてキャラ!【BL】)をアップしましたが、期間内なのでこちらにも入れさせてもらいました。

1冊目『義兄が僕を溺愛する』杉原マチコ

書籍情報

『義兄が僕を溺愛する』書影
タイトル義兄が僕を溺愛する
著者杉原マチコ
発行日初版年月日 2020年12月1日
発行KADOKAWA
レーベル等あすかコミックスCL-DX
『義兄が僕を溺愛する』情報

あらすじ

大学3年の春、ひなたは義父の連れ子、義兄の優琉(すぐる)さんといっしょに暮らすことになった。

大変イケメンで、大変優しく、大変好みなすぐるさんは、「男が無理な人」。

だからひなたは、あくまで義兄弟として付き合っていこうとしているのに、すぐるさんは激甘で……。

構成要素

特徴義兄弟 溺愛
ひなた(受け)義弟 大学生 平凡 不器用 かわいい
すぐる(攻め)義兄 社会人 スパダリ系? 器用 イケメン
雰囲気甘々
『義兄が僕を溺愛する』要素

こんな人におすすめ

  • 王道なストーリーが好きな人
  • 甘々な作品を求めている人
  • 受けの可愛さを欲している人
  • 溺愛スパダリ好きな人

感想

これぞ圧倒的溺愛!

これまで僕の中で、スパダリというのは御曹司とか社長とかそのくらいのレベルからかなーと思っていました。で、本作のすぐるはエリートではあるもののそこまでではなく、これはスパダリものとはちょっと違うかなと思って読み進めました。

が。これをスパダリと言わずになんと言う、というくらい、完璧なスーパーダーリンでした。

はあ、もうカッコいい。そしてそんなかっこい人が、ちょっとヤバめに溺愛しているのが溺愛ものの醍醐味。そのあたりもしっかり堪能させてくれます。

で、溺愛されるひなたくんが、これがまた可愛いんです。こりゃあ溺愛したくなるよ。って、納得のまっすぐさ、不器用さ、一生懸命さ。

すぐるの溺愛に、ひなたの可愛さに、あなたも溺れちゃってください。

2冊目『仁藤と田塚の日常』砂糖と塩

書籍情報

『仁藤と田塚の日常』書影
タイトル仁藤と田塚の日常
著者砂糖と塩
発行日初版年月日 2020年12月17日
発行KADOKAWA
レーベル等フルールコミックス
『仁藤と田塚の日常』情報

あらすじ

中学生の仁藤と田塚は幼稚園からの幼なじみ。

ある日、仁藤は田塚から想いを告げられるも「お前の事 恋愛対象としては 見れない」と断ってしまう。

これまで通りの「友達」でいたいと望む仁藤だったけれど、ふたりの関係はギクシャクしていき、これまでみたいにうまくいかない。

高校生になって大人になっての間に年単位で離れたり、でもまた近づいたり。友情と恋愛の間で葛藤する二人の結末は……?

構成要素

特徴幼なじみ 同い年 サクサク読める
仁藤(受け)無自覚かわいい
田塚(攻め)一途 クール 不器用
雰囲気ほのぼの ちょっと切なめ
『仁藤と田塚の日常』要素

こんな人におすすめ

  • 王道なストーリーが好きな人
  • サクサク読める作品を求めている人
  • キャラの可愛さを欲している人
  • 初心者向けな読みやすいBLをお探しの方
  • エロよりキュンを御所望の方

感想

まず、メインキャラが二人とも可愛いです。

(僕がいい歳だからかっこいい攻めまで可愛く見えているわけではない、はず……)

攻めの田塚くんは、まわりには不器用なとことか、仁藤にだけ心開いてるような感じとか、好きが溢れ出ちゃってる感じとか、まっすぐ一途なところとか、とかとかが可愛すぎます。

対する仁藤くんは、無意識にドギマギさせてみたり、無自覚に嫉妬してみたり、相手や自分の気持ちに戸惑って思い悩んだり、といったところが愛おしいです。

ストーリーは王道です。ふたりは幼なじみで、一途な攻めから告白されて、受けはそういう風に見ていなかったから戸惑って、葛藤して……。という、BLの王道ど真ん中のストーリーを丁寧に描写していて、特に切ないシーンや表情はぎゅうっと胸をつかまれます。

また、本作は一冊の中に22話と「短めの話をたくさん」の形をとっています。

なので小気味いいテンポでポンポン進んでいき、間延びしません。

中学生から大人になるまでの比較的長い時間を一冊に詰め込んでいますが、数か月や数年のブランクがすっと差し込まれているため、大事な場面にはしっかりとページ数が割かれていて、その緩急も、テンポよく読める理由になっているように感じました。

3冊目『ボクたちはまだ青く』黒井つむじ

書籍情報

『ボクたちはまだ青く』書影
タイトルボクたちはまだ青く
著者黒井つむじ
発行日書店発売日 2021年1月4日
発行メディアソフト
レーベル等Charles Comics
シャルルコミックス
『ボクたちはまだ青く』情報

あらすじ

つまらない毎日を送っていた七種一誓(さえぐさいっせい)のクラスに、転校生がやってきた。名前は新内享(あろちとおる)。髪が明るく愛嬌は皆無、その上超成績優秀な浮きまくりの転校生新内のことが、七種は無性に気になった。

ある共通の趣味がきっかけで距離が縮まった二人。無愛想だと思っていた新内から「ななち」と呼ばれ懐かれるうちに、ななちはどんどん新内に惹かれていって……。

構成要素

特徴高校生 転校生 同級生 受験 青春
七種一誓(ななち)クラス委員 クール 平凡 器用
新内享(あろち)転校生 無愛想 猛獣 忠犬 成績優秀 不器用 
雰囲気青春
『ボクたちはまだ青く』要素

こんな人におすすめ

  • 王道なストーリーが好きな人
  • 高校生のBLが好き、同級生のBLが好き
  • 青春を感じたい
  • 夢を抱く若者を応援したい
  • わんこなキャラが好き
  • 男子高校生に癒されたい

感想

ちょっともう、だめですだめです。

青春が眩しすぎて、尊すぎて、息絶え絶えです。控えめに言って、めちゃくちゃ好きでした。

ストーリーは、青春の甘酸っぱさをベースに、安心して読める展開でした。

受験や夢がお話に絡んでくると言うか、割とそれが軸となって展開していくので、懐かしさや眩しさにやられます。

それからキャラクターの可愛さ。ななち、こと七種くんは、わりと読者よりというか。あろち、こと新内くんのことを「可愛い」なんて思っては焦る、けどクールを装う、そんな可愛い子です。

で、そんな可愛い子に「可愛い」と思われるあろちくんが、もう本当に、ぐう可愛い。作中では「猛獣」と称されていたのがいつのまにか「忠犬」になっているんですが、ほんとうにその大型犬っぷりが愛おしいです。

あと本筋にそんなに絡むわけじゃないんですけど、クラスメイトたちの絡みとかもいいです、とてもいいです。そういうの含めてザ・青春でした。

4冊目『憎か愛しか』小丹波ふく

書籍情報

『憎か愛しか』書影
タイトル憎か愛しか
著者小丹波ふく
発行日2021年1月10日 第1刷発行
発行株式会社リブレ
レーベル等BBC DELUXE
ビーボーイコミックス デラックス
『憎か愛しか』情報

あらすじ

主人公、真柴兼之助(ましばけんのすけ)は福岡の明太子会社本社で働く営業マン。

東京支社から異動してきたエリート同期の水口翔(みずぐちしょう)に対抗心を燃やし営業成績勝負を仕掛けるも負けてしまう。

「負けた方がなんでも言うこときく」を賭けていた二人。勝った水口のなんでもは……「柴さん、今日から俺の恋人ってことで」。

そんなこんなで付き合うようになった二人だけれど、真柴には水口が本気なのかどうかさえわからない。のに、無意識のうちに水口のことをどんどん意識してしまって……。

構成要素

特徴福岡 福岡グルメ お仕事
真柴(受け)年上 営業マン 博多弁 小柄 元気
水口(攻め)年下 営業マン エリート 不器用 
雰囲気ほのぼの
『憎か愛しか』要素

こんな人におすすめ

  • 王道なストーリーが好きな人
  • 方言男子が好き、博多弁が好き
  • 同僚、オフィスラブが好き
  • グルメが出てくる話が好き
  • 元気な受けが好き
  • 卒なさそうで不器用な攻めが好き
  • ほのぼのした話が好き

感想

この作品の最大の特色はなんと言っても「福岡」のご当地ものである点でしょう。

個人的に福岡は好きな街のひとつなので、ロケーションやグルメで知っているところやものが出るたびにテンションが上がりました。

どんなのが出てくるかというと、まず二人が勤めているのが明太子会社というところからバリバリ福岡なんですが、その他、とんこつラーメン、ごぼ天うどん、糸島、太宰府、などなど。

そしてもちろん、主人公の柴くんこと真柴ほか登場人物の多くが博多弁。

方言萌え界不動のトップは関西弁で異論はありませんが、なかなかどうして博多弁もいいじゃんいいじゃん。

柴くんの、いまどきそこまでコテコテの若者はなかなかおらんで?とたまに思わされるほどの博多弁が、絶妙に可愛くて愛おしいです。

こんな感じで福岡が好きな人はもうそれだけで結構楽しめちゃう本作ですが、メインのBLもほのぼのキュンな感じでとても好きです。

小柄で元気な年上受けの主人公柴くんこと真柴は、水口に「柴さん、今日から俺の恋人ってことで」と言われてからどんどん意識してしまって、無意識に好きが募っていくというBLの王道オブ王道。

対するエリート年下攻め水口くんも、実は不器用でなところがあったり、可愛い顔をしたりと、こちらも年下の教科書的な要素をきちんと抑えています。

王道のBLを福岡の味付けでという新提案、僕はめちゃくちゃ好きでした。

王道好きなひと、方言好きなひとには、特におすすめです。

と言うわけで以上、【BL漫画100冊レビュー2021】1〜4冊目 溺愛、日常、青春、方言。四者四様の「王道」が揃いました、でした。ではまた。