10月の読書感想(読書メーター)まとめ

まとめ機能があったことを知らなかったので、3回目にして初めて使ってみました。ちょっと手を加えつつ。というわけで10月のまとめです。今月はあんま読めなかった……。

10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1184
ナイス数:72

『月魚』三浦しをん

月魚 (角川文庫)月魚 (角川文庫)感想
空気の作り方が、めちゃくちゃ巧いです。読み始めて数ページで、まるで古書店のような(ってそんなたくさん行ったことないけど)静かな、ちょっと古い香りのする、薄暗い世界観の中に、引き込まれていました。メインの二人、真志喜(ましき)と瀬名垣(せながき)の関係性や気持ちがすごく伝わってくる反面、その核の部分は読者にはわからない、きっと二人だけがわかり合っているんだろうなという、絶妙な塩梅がたまらないです。彼らの傷や希望の一端しかわかりませんが、とにかくその愛おしい二人が幸せであってほしい、と願わずにはいられません。
読了日:10月02日 著者:三浦 しをん

『東京藝大仏さま研究室』樹原アンミツ


東京藝大 仏さま研究室 (集英社文庫)東京藝大 仏さま研究室 (集英社文庫)感想
仏像かぁ…よく知らんからなぁ…と躊躇しながらも、藝大の要素に惹かれて読み始めた。青春の只中でもがきながらも懸命に前へと進む主人公たち。それを優しく厳しく導く先生たち。彼らをまるっとあたたかく包み込むような仏さま。気づけば虜になっていた。随所でさりげなく、時に大胆に入れこまれている、仏像にまつわるエトセトラはとても勉強になった。読み終わった今、これまで難解だなーとしか思わなかった仏像に、あたたかみと親しみを感じている。
読了日:10月04日 著者:樹原 アンミツ

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ


イニシエーション・ラブ (文春文庫)イニシエーション・ラブ (文春文庫)感想
帯にはこう書いていた。「300万人が騙された」……いやいやちょっと待ってよ。それ言ったらダメじゃない? そこまで言われて読んだら流石に騙されんわ。って、思ってたんだけどなー。やられた。違和感の消し方と、違和感の感じさせ方が、巧すぎる。もう凄すぎる。やられたーて思うけど、悔しいとかじゃなくて、もう清々しい。勧められて読んだんだけど、これは確かに勧めたくなる。というか、読んだ人と語りたくなる、からそのために読んでほしい、みたいな。あとは、これを映画でどう表現したのか、すごく気になる。
読了日:10月14日 著者:乾 くるみ

『きみはだれかのどうでもいい人』伊藤朱里


きみはだれかのどうでもいい人 (小学館文庫 い 49-1)きみはだれかのどうでもいい人 (小学館文庫 い 49-1)感想
物語は県税事務所で働く女性4人の視点から紡がれる。第一章の語り手に心底共感しながら読んだ。第ニ、三、四章は、そこで軽んじていた人物たちが主人公となった。それなのに、それぞれの目線を通した物語にまた強く共感した。みんな何かを抱えて苦しくて、おのおのもがきながらなんとか生きている。と思ってもなお私は、私の正しさが一番正しい、私の辛さが一番辛い、そう感じてしまう。そんな自分の弱さを突きつけられた苦しい読後感。それでも、読んで良かった、出会えて良かったと思う。この苦しさを、考え続けないといけない。
読了日:10月24日 著者:伊藤 朱里