【感想】『窮鼠はチーズの夢を見る』を観たゲイが感情のままに語る3つのみどころ【映画】
※ストーリーに関する直接的な言及は避けていますが、内容に触れる点がありますので、ご注意ください。
先ほど観てきた『窮鼠はチーズの夢を見る』について、冷めやらぬ興奮の中、僕の思う3つのみどころをご紹介していきます。
3つのみどころ
- 成田凌がどエロい
- 主人公がクズ
- とにかく人間が汚い
こうやって並べると、おおよそ褒めているようには見えませんが、褒めてます。おすすめのポイントです。一つずつ弁明させてください。
成田凌がどエロい
ただエロいんじゃありません、どエロいんです。ただひたすらにどエロい。
成田凌さん演じる今ヶ瀬渉は、大倉忠義さん演じる大伴恭一を一途に想っている役所。
予告にもあるのでご存知かと思いますが、情事のシーンがあります。そこがとても扇情的。
なのはもちろん、そこだけに留まらず、むしろそんなシーンを上回るほどに、日常の些細な仕草や目線、表情、その全てが圧倒的に色っぽかったです。
個人的に特に好きだったのは、椅子に座っている場面。佇まいの美しさ、滲み出る切なさがとても印象的でした。
そして、一挙手一投足の向こう側に見える、秘めた、秘めきれない想い。それを絶妙に感じさせる演技力は圧巻でした。
僕の中で成田凌さんと言えば、『愛がなんだ』のマモちゃんのイメージなんですけど、それとはまた違った色気がバッキバキでした。
主人公がクズ
大倉忠義さん演じる大伴恭一が、もう本当に気持ちが良いくらいのクズっぷりを見せてくれて。
クズだなあーと思う反面、その弱い部分にどこか共感させられてしまう、そんな惹きを持ったキャラクターでした。
今ヶ瀬の側に立って見ると、本当に酷い男だなと思う反面、なぜかどうしようもなく惹かれる部分があるのもわかるような気がしてきます。
大伴の側に立って見ると、その弱さや汚さが自身に投影されて、なんともいたたまれなくなります。
そして、クズ……というか汚いのは、大伴だけじゃないんです。
とにかく人間が汚い
登場人物、ほぼ全員が、どこかしら歪んでいます。
とにかく人間の嫌な部分、汚い部分を、徹底的に見つめて、煮詰めたような、そんな作品だったな、と感じました。
登場人物それぞれが抱える狡猾さや嫉妬心、疑心、傲慢なんかは、きっと観客それぞれの心の中にあ……るのかどうかはわからないけれど、少なくとも僕の中には確かに存在して。それは見たくない部分なんだけど、だからこそ突きつけられたときの、訴えかけてくるエネルギーはとても大きかったです。
そんな嫉妬や傲慢のぶつかり合う山場の一つ、今ヶ瀬と夏生(大伴の昔の恋人)が対峙するシーンは、どんなバトルシーンよりもヒリヒリして個人的に大好物でした。
もちろんBL的キュンも
ここまでぶわーーーっと書いてきてふと我に返ったんですが、これ、BL映画を観て綴った感想には全く見えませんね。
普段、ラブコメ系や日常系のBLに触れることが多いので、こういったドロドロ系BLに慣れてなくて、BLじゃない?部分にばかりフォーカスしてしまいましたが、もちろんちゃんと、BL的キュンシーンもたくさんあります。
部屋で映画を見ながらポテチ食べてるシーンとかもう最高なんで、心して観てください。
……以上、『窮鼠はチーズの夢を見る』を観たゲイが感情のままに語る3つのみどころ、でした!ありがとうございました!
(2020年12月21日追記)
個人的2020年映画ベスト10とそのほか観た作品の一口メモ (第10位)で取り上げました。