【感想】『魔法が使えなくても』思考も感情も追いつかなくてとにかく殴り書きですみません

2020年10月13日

紀伊カンナ先生のだ!と思って手に取ってみた。

書籍情報

フィールコミックス

魔法が使えなくても 
紀伊カンナ(著/文)
発行:祥伝社

A5判  224ページ
ISBN9784396767396
書店発売日2018年7月6日

連作の魅力

群像劇と帯にあった通り、いろんな人物が出てくる。

アニメーターの岸くん、そこ同僚の千代ちゃん、バンドマンのたまき、田舎の女子高生キキちゃん、などなど。

最初は状況がよく分からなくて、けど謎の推進力に巻き込まれてどんどん読み進めていった。

だんだんと、物語が繋がってくる。

あ、さっきの彼がこうでああで、彼と、え、彼女と?彼が?ああ、んん?ほあー。

てな具合。

この、繋がりで世界が急にガガっと広くなるのが連作の魅力だと思う。

仕事ってなんだ

テーマのひとつは、きっと「仕事」。

好きなこととそうでもないことがあって、それは向き不向きとは必ずしも一致しなくて。

一途に一生懸命頑張ったからって、必ず報われるというわけでもなくて。

そんな、夢と現実のはざまで揺れ動く若者の輝きや陰りに心をぶん殴られて、自分がいかに現実に擦り減ってしまっているのかを突きつけられたような気がした。しんどい。

ねずみ色の世界

これもひとつのテーマかな、と感じたのが、最後らへんにでてくるこのセリフ。

白か黒じゃないよ

紀伊カンナ『魔法が使えなくても』祥伝社、2018年、p.212

ん?どういうこと?こういうこと?なんてハッキリさせようと考えながら読み進めてきた僕に、言われたみたい。

スルメコミック

絵柄が可愛いし、話のテンポもいいから、どんどんどんどん読めてしまったけど、正直、初見じゃ全然飲み込めなかった。

噛めば噛むほど、じゃないけど何回も読んで、何回も違うことを考えて、時になにも考えなくて、そんな風にそばに置いておきたくなる本なのかな。違うかも。知らんけど。

ではまた。