はじめて好きな映画監督ができた。それは今泉力哉監督。という2020年の超個人的記録。

2020年12月21日

2020年も残りわずかとなったので、振り返ってみた。はじめて「好きな監督」ができた年だったなと気づいたのでそれについて書き留めたい。

映画監督という存在

「映画監督」という存在を、これまであまり意識したことがなかった。

知っている監督は数名。映画好きの友人が語るような「好きな監督」とか「監督で作品を選ぶ」とか、そういう感覚もほとんどなかった。

そんな僕にはじめて、好きな監督ができた。

今泉力哉監督。

……こういう言い方、なんかこっぱずかしいな。

超個人的な記録にはなるけれど、今泉力哉監督作品との出会いから、好きになるまでと、どこが好きかを、ここに残しておきたい。

「好きな監督ってどうやったら見つかるのかな」って思っている人に見てほしい……いや、たぶんそんな人にはなんの参考にもならない。

「おまえなんにもわかっちゃいねえな、いいか、今泉力哉監督の作品の魅力はな、うんぬん……」

うん、こういう人に読んでもらえたら嬉しい。そしていろいろ教えてほしい。

出会いは『パンとバスと2度目のハツコイ』

ぶっちゃけ、まいまいこと深川麻衣への好意だけで観に行った「パンバス」。2018年のこと。

乃木坂46の元メンバーで女優の深川麻衣、映画初出演にして初主演。

それ以外の情報は何もなく観に行った。

あまり見慣れていない系統の作品で、ストーリーや演出は難しく感じた。

けど、「まいまい可愛かったなー」だけでない、別の感情も抱いた。

作品の空気感だったり、雰囲気だったり、視点みたいなものだったり、そういうのが好きだな。

なんとなく、ほんとうにふわっとだけれど、そう思った。

偶然の再開を果たした『愛がなんだ』

2019年。また、まいまい、もとい深川麻衣が気になって観に行った『愛がなんだ』。

この映画が、ものすごく好きだった。

ありふれた言い回しだけど「自分のことを描いている」と思った。

その辺の感動については、【感想】『愛がなんだ』全然いい男じゃない。のになぜか惹かれる。という記事を書いた。……書いたけど、いま読み返すと言いたいことの100分の1も書けてない、本当に全然なんにも書けていない、ただの勢いだけだから、いつかもっとちゃんとした感想記事を書きたい。

で、とにかくまずストーリーに共感しまくった。それから、出演者の演技もすごかったなーとか、あそこの演出うわーってなったなーとか、そんな感じでいろいろな感情がこみ上げてきた。

それで、ネットでいろいろあさってて、「映画『愛がなんだ』今泉力哉監督インタビュー」という記事に行きついた。そこに

――葉子役の深川麻衣さんは前作に続いての起用ですが、彼女の魅力はどんなところでしょうか。

葉子のキャスティングはぎりぎりまで迷って決まっていなかったんですけど、自分が深川さんの名前を挙げたんです。

 Cinema Art Online 「映画『愛がなんだ』今泉力哉監督インタビュー」 より

とあって、ああ、『パンとバスと2度目のハツコイ』と同じ監督なんだ、と知った。

そういえばなんとなく、素人目で観てだけど、雰囲気とか通じるものがあったような気がするなーと。

それで、ああ、この監督の作品の空気感好きかも、とおぼろげに感じた。

好きだと確信した『his』

そして今年、2020年に公開された『his』は「田舎で暮らすゲイの青年のもとに、娘を連れた元彼があらわれて……」という内容が気になって、公開前からチェックしていた。

予告編に「『愛がなんだ』 恋愛映画の旗手 今泉力哉監督作品」とあって、「ああ、「愛がなんだ」の監督なのね、パンバスの。恋愛映画の旗手なのか」と認識した。

で、観た感想は、とにかく、好きだった。

詳しい感想については、またじっくりと腰をすえて書いてみたいと思うけれどとにかく、何気ない部分を、とても丁寧に描かれる監督さんなんだなと思った。

何気ない一言で傷ついたり、何気ない行動に救われたり、そういう、普段の生活で何気なく起きている見逃しがちなささいなことを、意図的に、大切に描かれているように感じた。

それから、画面の明るさや暗さ、空気感も、うまく言えないけど好きだなと思った。

思い返すと「パンバス」も「愛がなんだ」も、何気ない部分を大切に描かれていたし、その空気感が好きだった。

この監督の作品をもっと観たい。

気づいたらそう考えていた。「好きな監督」ができた瞬間だった。

(2020年12月21日追記)
個人的2020年映画ベスト10とそのほか観た作品の一口メモ (第1位)で取り上げました。

はじめて監督で選んだ『mellow』

『his』で今泉監督にハマッたちょうどいいタイミングで『mellow』も上映していた。

(公開は『mellow』の方が先だったのかな?と思って調べたら『his』が1/24で『mellow』が1/17だったからやぱりそうだった)

迷わず観に行った。

あらすじ的に言うと、ちょっと「変わった」人たちの恋愛模様を描いている。んだけど、その「変わった」ところに対して、否定的でない。

それぞれのちょっと「変わった」ところにおかしみを感じながらも、しかし寄り添っているような印象を受けた。

やっぱり、今泉監督、好きだ。

そう思った僕には次の楽しみがあった。

(2020年12月21日追記)
個人的2020年映画ベスト10とそのほか観た作品の一口メモ (第6位)で取り上げました。

楽しみな『街の上で』『あの頃。』

5/1公開予定『街の上で』

好きな監督という新たな存在に出会えて、しかも立て続けに公開があるなんてラッキーと思っていた。

のに。

新型コロナウイルス感染症の影響で、公開が延期になってしまった。

いつ公開されるのか、じりじり待っていたけど、なかなか公開されなくて。

1か月ほどじりじりしていたら、6月頃、公開が来年の春になったことを知った。

悲しかったけど、楽しみをとっておくと考えたら悪くない。好きなものは最後に食べるタイプだし。

なんて自分で自分に言い聞かせて慰めた。

いやけど、本当に。来年の春になったおかげで『街の上で』と『あの頃。』がわりと立て続けに観られるのだ。まあ、数か月は空くのかもしれないけど。

『街の上で』主演の若葉竜也さんは、ナカハラくんだな。『あの頃。』にも出るのか。どんな役なんだろう。『あの頃。』の松坂桃李くんはもともと好きな俳優さんだからそれも楽しみだなー。そしてハロプロ。わくわくする。

他の作品も気になる。『アイネクライネナハトムジーク』

いま一番気になっているのは、ちょうど原作を読み進めている『アイネクライネナハトムジーク』。

読み終わったら絶対観よう。

その他の過去作も気になる。まだ出ていない今後の新作情報も気になる。

これが監督にハマるということか、とその広がりを前にちょっと足がすくむ。楽しみだけど。

そういえば小説はもともと、結構作家さんで選んだりしてたな自分……。

まとめ:今泉監督のここが好き

映画、全然詳しくないから、的外れなこと言ってるかもしれないけど(って今更か)、個人的な今泉監督の好きポイントは

  • 柔らかい明暗の画づくり
  • 視線や間などでの微妙な感情表現の演出
  • 多数派じゃない人たちとの丁寧な向き合い方
  • 根底に流れる優しい空気感

(……なーに言ってんだ、って思われた方、にわかが語ってしまってすみません)

監督という新たな軸で作品を観るのって楽しいなと、新たな発見ができた2020年。

2021年は今泉監督のどんな作品と出逢えるのか。今からめちゃくちゃ楽しみだ。

ではまた。